可搬式オービス盗難で埼玉県警への批判が集中 室外機盗難・不法就労への不満が背景に

埼玉県警が6月19日に発表した可搬式オービス(約900万円)の盗難をきっかけに、県警への批判がX(旧Twitter)上で急速に広がっています。Yahoo!ニュースの関連記事には1400件超のコメントが寄せられ、事件そのものよりも「県警の治安対策への不信」が議論の中心になっています。
オービス盗難が批判の引き金に
6月18日夜、加須市岡古井の国道125号で速度取り締まり中、購入価格約900万円の可搬式オービス1台が盗まれました。加須署の交通課員2人が装置から100〜200メートル離れたパトカー内で監視していたものの、午後10時50分〜11時25分ごろの間に持ち去られたとみられています。装置は約20キロと持ち運び可能なサイズで、監視場所など運用ルールは厳格に定められていなかったと県警は説明しています。警察庁でも把握例がなく、全国初の事例です。
県警は「犯人確保に向けて捜査を尽くす」とコメントしていますが、県民からは「税金で買った装置を守れない」「速度違反の罰金取りには熱心なのに、住民の盗難には冷淡」といった不満が噴出しています。
背景にある金属盗難への不満
批判の根底には、室外機や水道メーターなど金属製品の盗難が県下で相次いでいることへの不満があります。ENCOUNTの取材によると、埼玉県警の生活安全総務課は昨年の盗難被害として、室外機330件、ナンバープレート577件、タイヤ・ホイール1016件(前年比631件増)を挙げています。いずれも県下全体で通年発生しており、金属価格の高騰を背景に非鉄金属の換金目的とみられています。
県警の対応は、公式SNS「埼玉県警察犯罪情報官」での注意喚起や、盗難防止用ネジ・防犯カメラの設置を住民に呼びかける内容が中心です。同アカウントへのコメント欄には「治安どうなってんの」「防犯パトロールお願いします」といった不安の声が寄せられていると報じられています。積極的な捜査やパトロール強化ではなく、被害者側の自衛を求める姿勢に対し、「警察がやるべきことを住民に押し付けている」という批判が蓄積してきたとみられます。
不法就労取り締まりへの不信
もう一つの不満は、不法就労・不法滞在への取り締まりです。埼玉県警の統計では、令和7年(2025年)に入管法違反で351人を検挙したと発表しています。県警は不法就労防止の啓発や、在留外国人ボランティアによるサイバーパトロール「フォーシブ」の運用も進めています。
一方、川口市などでは外国人人口の増加と「体感治安」の悪化が重なり、不法就労や不法滞在への対応が不十分ではないかという声が強まっています。東京新聞の分析では、刑法犯認知件数は長期的に減少しているものの、市民意識調査で「治安が悪い」と答える割合が急増しており、SNS上の情報が不安を増幅させていると指摘されています。オービス盗難は、この長く蓄積された不信感に新たな火種を投げ込んだ形です。
X上で拡散する批判の声
X上では以下のような批判が数千〜数十万回の閲覧を集めています。
「埼玉県警はオービス盗難場所近辺で検問したり草むら掻き分けてるらしいけど、警察の責任問題になる事件ですらそんな捜査方法なのか 今まで自動車窃盗はロクに捜査しないと言われてたけど、実は県警なりに必死に捜査してそのレベルだったのかもしれない」
— Xユーザー「なな爺(LEVEL7G)」(@level_7g、2026年6月21日、約9.7万回閲覧)
「埼玉県警『外国人にエアコン室外機を盗まれるのは盗難防止対策していない日本人が悪い』 1か月後、、 埼玉県警 オービスを盗まれる どんなコントやねん これ犯人捕まっても謎の不起訴で終了って形式美だな」
— Xユーザー「ザビちゃん🇯🇵」(@Xavier1125jp、2026年6月21日、約7万回閲覧)
※上記の県警発言は投稿者による風刺的な表現であり、公式見解ではありません。
「盗まれた可搬式オービスらしきものをヤードで見かけた。という通報が埼玉県警に寄せられているとの情報。『人は善意によってのみ通報者になる』」
— Xユーザー「世界びっくりカーチェイス2」(@mst_hide、2026年6月22日、約220万回閲覧)
@level_7g の投稿は、県警の捜査が自動車窃盗でも消極的だったのではないかという長年の不満を、オービス事件の捜査体制と重ねて批判しています。@Xavier1125jp の投稿は、室外機盗難を住民の責任に帰するような県警の姿勢(風刺として描かれている)と、県警自身の装置盗難という矛盾を指摘しています。
県警の今後の対応
交通指導課は運用ルールの見直しと指導の徹底を表明していますが、県民の批判はオービス盗難そのものを超え、金属盗難への実効ある対策と不法就労・不法滞在への手厚い取り締まりを求めるものになっています。約900万円の公共財産を守れなかった事実が、これまでの治安政策全体への不信として噴出している状況です。
出典: 毎日新聞「埼玉の国道で持ち運び可能なオービス盗まれる 速度取り締まり中」(https://news.yahoo.co.jp/articles/361215fe5999515af6ed4fef3bb571809acb2f0a)
参考: ENCOUNT「『治安どうなってんの』室外機に水道メーター…相次ぐ
金属盗難の実態は? 埼玉県警が自衛を呼び掛け」(https://news.yahoo.co.jp/articles/a14ae6772b0fda5845f0a7ef4ce175f08cf1b13c)

