社会
田植え直後の水田が干上がる――千葉で相次ぐ金属窃盗が農業インフラを直撃
公開: 2026年6月4日更新: 2026年6月4日
田植え直後の水田が干上がる異常事態
千葉県東庄町で、田植えを終えたばかりの水田が干上がるという深刻な被害が発生した。原因は自然災害ではなく、農業用揚排水機場からの金属窃盗だった。
利根川の水を周辺の水田に供給する「東今泉揚排水機場」から、銅製の送電ケーブルと真鍮製のバルブが盗まれたことが4月27日に判明。窓ガラスを割って侵入した手口で、ポンプの稼働に不可欠な部品が持ち去られた。
農家からは悲痛な声
水田に十分な水が行き渡らない状態が続いており、地元農家からは「水分が吸収できず、苗が枯れる可能性がある」と深刻な懸念の声が上がっている。田植えの時期は稲作にとって最も重要な時期であり、水の供給が途絶えることは収穫への直接的な打撃となる。
施設管理者によると「ケーブル盗難によりポンプが稼働できず、十分な水を送れない状態」が続いているという。
同地域で相次ぐ金属窃盗
東庄町周辺では、複数の排水機場で同様の金属窃盗被害が相次いでいる。銅や真鍮などの非鉄金属は国際的な需要の高まりを背景に買取価格が上昇しており、農業施設や公共インフラを狙った窃盗事件が全国的に増加傾向にある。
警察には被害届が提出されているものの、本格的な復旧のめどは立っていない。
インフラ防犯の課題
今回の事件は、地方の農業インフラが犯罪に対して脆弱であることを浮き彫りにした。揚排水機場のような重要施設であっても、常駐の管理者がいないケースが多く、防犯カメラや侵入検知システムの整備が追いついていないのが現状だ。
金属価格の高騰が続く限り、こうした窃盗被害は繰り返される可能性が高い。農業の基盤を守るために、地域ぐるみの監視体制や施設のセキュリティ強化が急務となっている。
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